【引き売り日記】
少しだけ痴呆症のあるおばあちゃんが
いました。
少し前にお風呂に入ったことは
忘れてしまうのだけれど
ラッパを吹くと毎週必ず
お豆腐屋さん、行っちゃうかと思って♪
といっつも素敵な笑顔でケラケラ笑いながら
玄関にきてくれて
毎週必ず、息子さんが
危ないから杖持たないと!とと言いながらニコニコしながら
追いかけて来てくれていました。
玄関から、10歩くらい歩いたところに
扉があったので私はあえてピンポンはせずにおばあちゃんの笑顔を毎週楽しみにラッパを吹きながら待っていたの。
4年くらいかな
とっても可愛い笑顔で
今日はジャマな雨が降らなくて良かったねって、私を思って笑顔で言ってくれるのが私の前では口癖でした。
とにかくいつも笑っていたおばあちゃんをみているのが好きでした。
雨が降る日は行かないようにしていたのです。
息子さんも心配そうにしていて
真冬は来なくていいよって言っていたから。
いつからか春から秋にかけての楽しみでした。
二ヶ月ぐらい晴れていても会えなくて、、。
ずっとどうしたのかなと思っていたら
歩いていたおばあちゃんが、
今日はヘルパーさんに押されて車椅子で
私の前を通りすがり
いつもの笑顔は少しもなく
リヤカー引いている私のことも
わからずに玄関へと入って行きました。
週に一回しかこないお豆腐屋さんだから
家族とは違うので
踏み込めないし、なんとも言えない思いで玄関に入って行くのをみていました。
息子さんに話しかけることも出来ず
おばあちゃんの笑顔を
忘れないで生きていこう!って思いました。
たぶん、別にお豆腐が必要だったわけではなく、好きなものを選んだりおしゃべりをするおばあちゃんの楽しそうな笑顔がみれるから、ちょっと痴呆が入ったおばあちゃんと一緒に息子さんも買いに来てくれていた。
そんな感じがするので、少しラッパを吹いて
あまり待つことはせずに来週からは
通りすぎようかと思っています。
満面の可愛らしい笑顔を思い浮かべながら。
今夜は少しだけさみしいかも(T ^ T)
お金とかでもなく(泣)
でも、お会いできて嬉しかったです。
商売は下手かもしれない
でもありがとうってすごく思っている
だけど、伝えられない歯がゆさも感じております。
だけどそれでもいいのかなって思う。
たまに踏み込み過ぎて、失敗するときも
あるけれど、合っているかは別として
これ以上はダメって感じるときがあるんです。
難しいあんばい。